天空の蜂
前から見たかったのですが見ました。
これぞ日本映画という映画でした、これはアクションサスペンス(・・?)映画なのでしょうか、何なのかもよく分からないのですが、一番近いのはコメディだと思います。笑ってしまうシーンは下手なコメディより多いです。
一応感想を。
まず、登場人物のセリフが大げさです。証券会社のCMみたいと言えばいいんでしょうか、そんなこと普通の会話で言う人いないよという。また、禅問答みたいな会話が多くて辟易します。長くて退屈です。
さらに、登場人物が突然に大きい声を出しすぎです(10回くらいあります)。この映画の中では、大きな声(音量です、数の比喩では無いです)を出せば問題が解決するという仕組みなのか不思議になりました。大きな声で要求し、大きな声でテロを止めるべきでした。お察しします。
BIG B(ロビンマスク・・? いや、登場するヘリコプターの名前です)から子供を救出するシーンって映画館で笑いは起きなかったんですかね。隊員が宙吊りになるシーンなんて笑うしかないと思ったのですが。
ラストシーンで敵役が謎のポーズをするのはなんだったんでしょうか。プラトーン?
この映画の何がいけないんでしょう、脚本、演技、カメラ、設定、表現・・・。
そういう宿題をやってみると目が良くなるかもしれません。
ところで、日本映画に出てくるテログループって、名前のセンスが無いですよね。
『赤い月』とか『天空の蜂』とか、なぜ現実にあるものを言ってしまうのでしょうか。前者に関しては、月が赤いときは空を眺めていれば、ままあります。『緑のたぬき』の方が怖くないですか? 後者については、蜂って元々そういうものじゃないでしょうか?『大きいクジラ』とか『力のあるゴリラ』みたいな。
また、こういう名称を用いる作品で比喩表現を用いる場合、あり得ないものに例える傾向にあります。例えば、悪魔のような痛み、という感じです(優しいかもしれません、知りませんが)。蜂に刺されたような痛み、では無いわけです。
ところで、江口洋介って古畑任三郎ではテロリストの役をしてましたよね。ボールペンのクリック音で犯人だとバレてしまったのだったと思いますけど。この映画で綾野剛が犯人なのは、原発停止を要求してくるときの声で分かりました。犯人としては、いくら死ぬつもりでも不用意でしょう。
最後に主人公がこう問いかけます。この国に命を賭ける価値はあるのか、と。
知ったこっちゃないのですが、この映画は見るべきです。笑えます。
桐島、部活やめるってよ
話題になっていたのは知っていたのですが、ようやく見ました。
ストーリーとしては、桐島という人物がどうやら所属しているクラブを辞めるらしいことが明らかになる。さらに行方も分からないし、連絡も取れない。残されたクラスメイトたちは・・という感じです。
この映画を見て多くの人は、この話は何だったの?という風に感じるのではないでしょうか。桐島は最後まで姿を現さないし、なぜ部活をやめるのかも明らかになりません。
この証左かもしれませんが、それらしい解説がネットを見ればいくらでも書いてあります。しかし、それは解釈であって、一つの可能性ではあるのですが、必然では無いでしょう。たとえ作者が、これが正解です、と言ったときであってもそれが正解とはならないと考えているのですが、これは考え方によるでしょう。
この映画は、非常に上手に人間が描かれていると思ったのですが、橋本愛さんに関してはフィクションでしょう。あんな飛び抜けた高校生はいません。
そういえば、つい昨日『砂の器』(1974年のです)を見たのですが、同じ演出方法がラストにあって驚きました。必然と偶然、どちらを信じますか? 僕は両方です。
必然と偶然といえば、昔、すごい体験をしたことがあります。ここで書いてしまいたいのですが今日は長くなりました、この話はまたどこかで。
砂の器
色々バタバタしていたのですが、敢えて映画を見ました。
完成度の高い映画だと思いました。(警察官ではないので、実際は知らないのですが)捜査の過程が緻密に描かれています。原作は新聞小説だったらしいのですが、映画を見れば想像はつきます。
さて、いきなりですが、この映画は人間を描けているのでしょうか? こんなことを言うと、この映画のファンから、お前は本当にこの映画を見たのか、お前が見たのは何か違う映画だったのではないか、と言われそうですが。
この事件の犯人は、特筆すべきほど悲惨な過去(出自)から逃れるために殺人を犯します。そして、その出自には同情する(すべきかは知りませんが)点があります。しかし、これが人間を描くということになるのでしょうか。それらしい情状を創作することが人間を描くということなのでしょうか。
ミステリーとサスペンスの定義は知りませんし、分けることに意味は無い(本屋さんで並べる場所が変わるくらい?)のですが、なんとなくサスペンスに入れたい作品だと思いました。
ところで、ターミネーターは人間ドラマには入らないんですかね。
人間の証明
久しぶりに映画を見たので書こうと思います。
ストーリーとしては、日本に来た外国人が殺される、死の間際に発した謎の言葉の真相は・・という話です。しかし、ストーリー的に犯人になり得そうな容疑者(登場人物)が一人しかいない(この人が犯人です)ので、ミステリーとしては全然でしょう。つまり、家族愛や人間の罪と罰というものを描いたミステリー的なお話だということです。
松田優作さんが刑事の役をしているのですが、演技も上手いですしファッションもカッコイイです。
この映画は、いわゆる角川映画なのですが、同じく角川映画の天河伝説殺人事件でもあったようなシビれるカットがラストのほうにあります。このシーンだけでお金を払う価値があります。
ところで、仮にAが犯人でないならば、A以外の誰でも犯人たりうるというようなミステリーってどうなんでしょうか。私はこれを開かれた犯人と呼んでいるのですが。
君の名は。
劇場に観に行く機会を逃してしまっていたので、レンタルで。
大変に流行していたのは知っていたのですが、それも当然と思えるほど素晴らしい出来だったと思います。今までアニメは魔女の宅急便が一番だと思っていた(冒頭で、キキがラジオを合わせるシーンがいいのです)のですが、上回ったと思います。
一見単純な話のようですが、無駄がなく、細部まで計算された作品だと思いました。色んなところに大変見事に伏線が張ってあり、二回目を見るときにも楽しめます(むしろ必至でしょう)。作品を横断するテーマがあり、そのテーマに沿って物語が設定され、進行していくのは見事でした。常々、面白い映画には、青春とミステリーと少々の火薬が必要だと思っていたのですが、ほんの少し自信を深めました。
ところで、国が変われば平均的な知能は変わるものです。当然、その平均的な知能の期待に応えられた作品は多くの人に受け入れられやすいことになるでしょう。では、日本において、それに当たる(と私が考える)、ミステリーお馴染みのトリックといえば何になるでしょうか。
私にはひとつの確信があるのですが、これをお読みの賢明なる読者は答えがわかるはずです。
テラスハウス クロージング・ドア
テレビを点けてたら放送されていたのですが、気になったので改めて見ました。複数の男女を一か所に集めて・・というようなリアリティショーなんだと思います。
洋楽やオシャレな音楽がことあるごとに流れるのですが、選曲が絶妙で、オシャレな感じがしていいのです。鎌倉が舞台らしいですけど、大仏を見に行ったことしかなかったので、こんな空気を感じることはできませんでしたが、いいところでした。
テレビシリーズの方を見たことないので知らないのですが、旧メンバーが登場するところが盛り上がるポイントなのかなと思いました。過去シリーズの登場人物が再登場する展開ってみんな好きなんですね。
ところで、「女性」という言葉って、そもそも「女」は人間の性別の区別にしか用いられない(女の牛や女の鯨って言わないですよね?)ので、性別を表すことをもう一文字使って表す必要はないのでは、と思っているのですが、「お箸」みたいなものですかね。
人の恋愛事情を見ながらみんなでワイワイできるいい映画だと思いました。
トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
前作に引き続き見ました。1〜3までで三部作扱いらしいので、4からはまた別の三部作らしいです。
今回も予算と火薬は使えば使うほどいい映画ができると言わんばかりに、豪快に消費されていきます。細かいことを言えば、あれはおかしいのでは・・となるところはありますが、次の瞬間には何かが起こっているのでそっちに気が取られて、あれよあれよという間に最後はハッピーエンドでまぁいいかとなってしまういい映画だと思いました。
関連商品が欲しくなったので、玩具屋さんに行ったら見てみようと思います。